目くらまし改憲 昭恵夫人関与で議員辞職ではなかったのか

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 安倍晋三首相は錯乱状態じゃないのか。支離滅裂の逆切れ答弁が、いつにも増してヒドかった。8日と9日の2日間にわたって、衆参の予算委員会で行われた集中審議のことである。

 先月、森友学園籠池泰典前理事長と財務省との交渉を録音したテープが出てきて、その交渉内容に安倍昭恵夫人の存在が影響していたことが明るみになった。当然、野党は昭恵夫人の関与を問いただし、国会招致を求めたのだが、安倍は毎度のごとく、はぐらかして真正面から答えない。開き直る。その程度が尋常じゃないのだ。

 衆院で民進党の福島伸享議員は、「昭恵夫人と籠池夫妻とはズブズブの関係」「昭恵夫人は森友学園の身内だ」と主張した。確かに、籠池氏が財務省と小学校開設で交渉している最中に、昭恵夫人はその小学校の名誉校長に就任しているのだから、“身内”と言われても仕方がない。ところがこれに安倍はブチ切れてこう言った。

「ズブズブの関係とかいう品の悪い言葉を使うのはやめた方がいい。誰もそういう姿勢は支持しませんよ。それが民進党の支持に表れている。私も親切に申し上げているんですけどね」

 ア然ボー然だ。呆れるほどの論点スリ替えである。

 同じく衆院での民進党の宮崎岳志議員の質問に対する答弁は、意味不明。

「昭恵夫人の関与は明らか。籠池氏の言っていることがウソだと言うのなら、せめて記者会見でも開かせたらどうか」と問われると、こう答えたのだ。

「関わりがあるというのは、いわば、法人の許可は政府ではないから関与がないのは明らかですね。

 もう一点は、8億円が減価されたことに関与していたかですが、この関与については、宮崎さん、一言も具体的な関与について述べていないじゃないですか。ただ、騒いでいるだけでイメージを一生懸命作っておられる」

 いやはや何を言っているのか、言いたいのか。もうメチャクチャである。

■墓穴に落ちぬよう支離滅裂

 こんな訳のわからない答弁になってしまうのは、安倍が墓穴を掘った今年2月のあの発言があるからだ。

〈私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もし関わっていたのであれば、総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい〉

 たんかを切ってしまった以上、1ミリたりとも関与したことにはできないのだ。しかし、ここへきて次々露呈した事実を並べられれば、もはや逃げられない。

 夫人付職員の谷査恵子氏の財務省への“口利き”ファクス。これがあったから、財務省は森友案件を“特例”扱いにしたのではないのか。そして新たに暴露されたのが、籠池夫妻と財務省の田村嘉啓国有財産審理室長との面談テープ。逃げまくっていた財務省も、「特例」発言が録音されたテープを8日、ついに“本物”だと認めた。そこには、「棟上げ式に首相夫人が来られて、餅をまくことになっている」という発言も記録されていた。昭恵夫人の関与の動かぬ証拠だ。

 籠池氏は民進党のPTに呼ばれた先月28日、小学校建設について「真っ先に相談したのは昭恵夫人」と打ち明けてもいる。交渉経過を逐一報告し、その回数は20回以上に上ったという。これを「ズブズブ」と言わずして何と言うのか。

■答弁もゲーム感覚

 上智大教授の中野晃一氏(政治学)が言う。

「必要もないのに、『関わっていたら辞任する』と発言してしまったのは安倍首相です。そこまで言うのなら、率先して身の潔白を明らかにすべきなのに、真正面から答えず、はぐらかし、威圧する。口では『丁寧に説明する』と言いますが、国会で自分が説明責任を果たさなければならないという気持ちはないのでしょう。とにかく審議を乗り切れればいいというゲーム感覚。安倍首相からは、政治に関わっているという厳粛な思いが全く感じられません」

 8日は籠池氏が集中審議を傍聴していたが、財務省の佐川宣寿理財局長の答弁に「むちゃくちゃやな」と呟いていた。佐川も支離滅裂。安倍と昭恵夫人の関与を少しでも認めたらアウトだから、理不尽な言い訳を重ねる。安倍同様、財務省も国会、つまり国民を愚弄している。

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