ビビるな!植田日銀総裁 2026年早期利上げに踏み切らなければ「円安に歯止めかからない」と識者

公開日: 更新日:

 明らかな失敗だ。19日の金融政策決定会合で日本銀行が政策金利を0.75%に引き上げてから1週間。期待に反して円相場は1ドル=155円台に張り付いたまま、円安傾向が続いている。

 メディアは「30年ぶりの高水準」と騒いだが、物価変動の影響を差し引いた実質金利はまだまだ大幅マイナスだ。円安退治には追加利上げが不可欠なのに、会合後の会見で植田総裁は次の利上げ時期のヒントを与えず慎重姿勢。この煮え切らない態度が、円売りを仕かけてきた海外勢を安堵させ、ちっとも円高に進まないのである。

「今後の利上げペースを聞かれ、『今後の経済・物価・金融環境の反応をよく見て判断』と語った言葉に植田総裁の心境が表れています。どうも過去の利上げの際、株価急落を招いたと批判されたことがトラウマになっているようです。株式市場の混乱を避けたいとの配慮が、必要以上に追加利上げに慎重な印象を与えてしまったのです」(経済評論家・斎藤満氏)

 そもそも、この程度の利上げで物価上昇率3%のインフレが収まるわけがない。物価高騰に苦しむ庶民にすれば「ビビってんじゃねーよ!」だ。今年値上げされた飲食料品は2年ぶりに2万品目を超え、その理由は「原材料高」「エネルギーの高騰」と、いずれも円安が影を落としている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン