権藤博氏が日刊ゲンダイを語る「遠慮なし、忖度なしで書かせてくれる媒体は他にない」
権藤博(野球評論家/87)
長いお付き合いになった。日刊ゲンダイからコラム執筆の依頼があったのは、2010年の5月だった。以後、今は隔週金曜日に掲載されている連載<奔放主義>は、通算で400回を超えた。おかげさまで多くの方から声をかけていただく。
「権藤さんのコラムは面白い!」
あるパーティーで顔を合わせるや、そう言ってくれたのは作家の伊集院静さんだった。
スポーツライターの第一人者、二宮清純さんも「あの采配、あの用兵、あのプレーを権藤さんはどう見たのか。それが毎回、楽しみで」とわざわざ連絡をくれる。そのたびに恐縮するのだが、敬愛するその道の「プロ」からの反応は、私の張り合いになっている。
ゲンダイの企画でその二宮さんと私、そしてラグビーの長谷川慎さんと鼎談したのは、2019年の年末だった。
この年、日本で開催されたラグビーW杯で日本代表が史上初の8強入りを果たし、令和元年のスポーツ界を席巻した。長谷川さんは代表のスクラムコーチを務め、快進撃の「陰の立役者」と言われた若き名指導者。中学生の頃から大のラグビーファンを自任する私に「新春特別企画」としてセッティングしてくれたのだが、会って話して、その聡明さに驚いた。


















