世界の乳幼児の死亡数が増加…今世紀初の発表に波紋広がる
2025年は、今世紀に入って初めて世界の子どもの死亡数が増加に転じる見通しとなり、大きな波紋を呼んでいます。
マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏が運営するゲイツ財団の最新分析によれば、2025年に5歳未満で亡くなる乳幼児は世界で約480万人に達すると予測されています。これは前年より約20万人多く、2000年以降続いた減少傾向に歯止めがかかり、初めて増加に転じた形です。20年以上にわたる世界の保健分野の成果が失われつつあることを示し、各国に衝撃を与えています。
乳幼児の死亡数が特に多いのは、コンゴ民主共和国やソマリアなど医療体制の脆弱なアフリカの国々です。これらの地域では紛争や政治不安、債務問題などの影響で、保健サービスが著しく滞っています。さらに、アメリカやヨーロッパなど富裕国からの国際援助が前年に比べ27%減少したことも、状況を悪化させる大きな要因となっています。
こうした援助減少の背景には、トランプ政権による米国国際開発庁(USAID)の大幅な予算削減と組織再編が含まれています。ゲイツ氏はこれを「重大な誤り」と強く批判、乳幼児死亡の増加を招いた一因と指摘しています。一方でトランプ政権は、「アメリカは他国より多くの対外援助を行っている」と反論し、責任を否定しています。


















