「インチキ男 ジャンボ尾崎 世界の笑い物」マスターズで不正しても予選落ち(1994年)

公開日: 更新日:

尾崎将司(プロゴルファー/78)

 国内ツアーに君臨した「ジャンボ」こと尾崎将司の全盛時、日刊ゲンダイはプレー中の喫煙など、そのマナーの悪さを忖度することなく批判した。第1打に使ったドライバーを持って第2打地点へ向かい、ボールの真後ろの芝をトントンと叩いてからアイアンに持ち替える行為もそう。それを「ライの改善」と指摘し続けていたのも本紙だけだった。

 海外の4大メジャーでも尾崎を追った。本紙記者が、世界のゴルフファンが注目するマスターズで「ルール違反」を目撃、「インチキ男 ジャンボ尾崎 世界の笑い物」の見出しで大きく報じたのは1994年大会の初日だった。

 尾崎はイーブンパーで迎えた18番の第1打を右の林に打ち込んだ。ボールはベアグラウンドを覆っている松葉の上。ボールの手前(約50センチ)の葉を取り除き、ソールしようとした瞬間、ボールが動いた。当時のルール(規則18-2C)では、動いたボールは元の位置にリプレースしなければならないが、尾崎はそのままプレーを続け、ダブルボギーでホールアウトしたのだ。

国内メディアは“悪癖”を見て見ぬふり

 その一部始終を、尾崎に密着していた本紙記者と、たまたま現場にいた米国のゴルフ団体に所属する2人の男性が見ていた。2人の男性は尾崎の後にアテストのテントに入り、18番の状況を説明。尾崎がなかなかテントから出てこなかったのは、ルール違反を認めるまでに時間がかかったからだ。

 尾崎は報道陣の前で「ボールが動いたのはわかったが、クラブをソールしていないから大丈夫だと思った。やっぱり競技委員を呼ぶべきだった」とルールを勘違いしていたかのようなコメントをした。尾崎を畏怖し、その“悪癖”に見て見ぬふりを繰り返してきた国内メディアが生んだ失態でもあった。

 結局、18番はリプレースを怠ってのプレーにより2罰打が科されてスコアは「8」に訂正され、翌日は1打届かず予選で姿を消した。

【連載】社会を揺るがし変えた 歴代スクープの裏側

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