高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

拉致問題を解決できない 首相の「国際感覚」と「指導力」

公開日:

 安倍内閣の支持率が回復しつつある。23~24日に行われた毎日調査では、支持が5ポイント増の36%に対し、不支持が8ポイント減の40%だった。ほぼ同時期の日経調査では、支持が何と10ポイント増の52%に対し不支持は11ポイント減の42%で、支持・不支持逆転が再逆転した。その理由がよく分からない。

 日経で支持の理由を聞くと「国際感覚」(37%)、「安定感」(36%)、「指導力」(22%)などが上位で、安倍が米朝首脳会談に何とかして「拉致」問題を取り上げさせようと立ち働いたことが評価されているのかとも思うが、それでいて安倍が日朝首脳会談を開いてその問題を解決できるかとの問いには、60%が期待できないと答えている(毎日では66%)。

 元拉致議連のベテラン議員にこのあたりの事情を聴くと、こう言った。

「危うい綱渡りだ。安倍は圧力一本槍路線でトランプと完全に一致していると言い続けてきたのに、トランプは対話路線に転じてしまって取り残された。それで米朝会談に拉致を滑り込ませることに全力をあげ、何とかシンガポールでの記者会見でトランプに一言、言ってもらうことに成功した。しかし、これ以上トランプに何かをお願いすることはできないから、今度は自分でやらなければならない。それで今にも日朝会談が実現するかのような希望的観測を振りまいているのだが、この拉致問題に関しても安倍は圧力一本槍路線なんだ。北側が『8人は死亡で、すでに解決済み』と繰り返し、日本側が『嘘をつけ、生きているはずだ』と非難するというデッドロック状態では、日朝首脳会談は開けるはずがない。すると、安倍は北がかたくななので会談が開けないと言って一層、北不信をあおる。ところがその時トランプからは『早くその問題を解決して非核化のための経済協力のカネを出せ』と迫られることになって、安倍は完全に袋小路に追い込まれるだろう」と。

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