関空冠水で大混乱…人工島に大阪万博&IRは誘致できるのか
大阪府の松井知事が前のめりになっている2025年開催の大阪万博、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に黄信号だ。台風21号による記録的な高潮で西日本の玄関口の関西国際空港が冠水。人工島の弱さが浮き彫りになった。万博とIRの候補地である夢洲も同じく大阪湾に面した人工島だ。大丈夫なのか。
大阪湾は1961年の第2室戸台風などで記録した過去最高潮位293センチを瞬間的に超え、329センチまで上昇。その影響で関空は冠水し、タンカーが関空連絡橋に衝突するなどして、一時は利用客や職員ら5000人が孤立した。
関空は第1ターミナルの1期島、第2ターミナルの2期島で構成。運営する関西エアポートによると、04年には台風による高潮と高波で海水が護岸を越えて、1期島内の道路をえぐる被害が発生した。06年に1期島全体を取り囲む止水壁を建設し、防潮壁のかさ上げ工事も順次実施。通常水位から防潮壁が約5メートル高い設定で、第2室戸台風クラスや50年に一度の高潮や高波に襲われても、波が防潮壁を越えない想定だった。
■経済効果2・6兆円の皮算用がパー