大規模停電、インフラ壊滅…震度7の北海道は復旧長期化
6日午前3時8分ごろ、北海道の胆振地方中東部を震源とする地震があり、安平町で震度6強の揺れを観測。気象庁は午後になって、厚真町鹿沼で震度7を観測していたと発表した。
気象庁によると、震源の深さは37キロで、地震の規模(マグニチュード)は6・7と推定。道内は各地でインフラ被害が発生し、市民生活に甚大な影響が出た。余震とみられる地震も相次ぎ、気象庁が警戒を呼び掛けている。北海道で震度7を記録したのは史上初めて。
警察や消防には土砂崩れや家屋倒壊、火災などの通報が続々と寄せられ、道内の全約295万戸で停電。その後、一部地域では解消されたが、札幌市中心部でも大規模な停電が発生し、札幌市内では電話の不通やテレビ放送が受信できないなどの被害が出た。揺れの大きかった厚真町では大規模な土砂崩れが発生。町内の道路は一部、液状化した。浦臼町と雨竜町で断水、厚真町や安平町で住民が生き埋めになり、救助活動が続いている。
交通網も寸断。新千歳空港のターミナルビルで天井の落下や停電、漏水などの被害が起き、終日閉鎖される見通しだ。JR北海道によると、道内の全線で運転停止。北海道新幹線は新青森―新函館北斗間で運転を見合わせた。再開の見込みは立っていない。函館市電と第三セクターの道南いさりび鉄道も全線で運転見合わせ。北海道中央バスと函館バスの2社も全線運休した。
北海道電力の泊原発は外部電源が一時喪失した。午後に復旧するまで、7日間のみ稼働可能な非常用電源で使用済み燃料を冷却する事態に陥った。