2度目の「ブルーリボン」 安藤サクラの“特異性”に絶賛の声

公開日: 更新日:

■作品に溶け込みすぎて目立たない

 それでも実力はホンモノ。10年公開の映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」では「ブスでワキガでバカ」という女の子の役を、12年の「かぞくのくに」(1度目のブルーリボン賞受賞作品)では北朝鮮に渡った兄を持つ在日コリアンの妹など、クセのある役を次々とこなした。映画批評家の前田有一氏がこう続ける。

「『愛のむきだし』では怪しい宗教団体の教祖の右腕という役だったし、『家路』では震災後にデリヘル嬢に復帰する母親の役を演じていました。本来、そういう難しい役や色気のある役を普通の女優がやれば浮いてしまうのですが、彼女の場合はあまりにも自然に演じているから、わざわざそこに目がいかない。どの作品にも溶け込みすぎて逆に目立たないのです。与えられた役を忠実に演じられる女優だと思います」

 サクラも自身を「人の操り人形でいるのが好き。監督に言われて全力を出すのが性に合っている」とインタビューで語っていたが、どんな役にも対応できるのは、毛並みの良さはもちろん、一筋縄ではいかない人生経験のタマモノだろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異