著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

加藤健一事務所「女学生とムッシュ・アンリ」

公開日: 更新日:

瀬戸早妃の魅力が全開

 フランスで大ヒットし、映画化された作品の日本初演。

 舞台は妻に先立たれ、独り暮らしをする元会計士の老人アンリ(加藤健一)の部屋。ある日、コンスタンスと名乗る女子大生(瀬戸早妃)が訪れる。アンリの息子ポール(斉藤直樹)が、父の身を案じて、ルームメート募集の広告を出したのだ。

 気難しいアンリはしぶしぶコンスタンスの同居を認めるが、条件としてある提案をする。

「あんたの魅力で息子を誘惑して、女房のヴァレリーと別れるように仕向けるんだ」

 アンリはなぜだか嫁が気に入らないらしい。コンスタンスは巧みにポールを誘惑するのだが……。

 見終わった後、これほど心が癒やされ、あたたかな気持ちになった舞台は久々。それは何といっても女学生を演じた瀬戸早妃の魅力に負うところが大きい。

 くるくる変わる表情、チャーミングなセリフ回し、ちょっぴりセクシーな躍動感あふれる演技。暗転になる直前に作る表情の豊かさ……彼女の一挙手一投足が実に蠱惑的(こわくてき)なのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった