著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

加藤健一事務所「女学生とムッシュ・アンリ」

公開日: 更新日:

瀬戸早妃の魅力が全開

 フランスで大ヒットし、映画化された作品の日本初演。

 舞台は妻に先立たれ、独り暮らしをする元会計士の老人アンリ(加藤健一)の部屋。ある日、コンスタンスと名乗る女子大生(瀬戸早妃)が訪れる。アンリの息子ポール(斉藤直樹)が、父の身を案じて、ルームメート募集の広告を出したのだ。

 気難しいアンリはしぶしぶコンスタンスの同居を認めるが、条件としてある提案をする。

「あんたの魅力で息子を誘惑して、女房のヴァレリーと別れるように仕向けるんだ」

 アンリはなぜだか嫁が気に入らないらしい。コンスタンスは巧みにポールを誘惑するのだが……。

 見終わった後、これほど心が癒やされ、あたたかな気持ちになった舞台は久々。それは何といっても女学生を演じた瀬戸早妃の魅力に負うところが大きい。

 くるくる変わる表情、チャーミングなセリフ回し、ちょっぴりセクシーな躍動感あふれる演技。暗転になる直前に作る表情の豊かさ……彼女の一挙手一投足が実に蠱惑的(こわくてき)なのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝