プルースト効果…酸っぱい「都こんぶ」で思い出す肺がん患者とのやりとり
先日、ぜんざいを食べようと塩昆布をさがしたのですが、見つからないので病院の売店でお菓子として販売されている「中野の都こんぶ」を買いました。酸っぱい昆布、酢昆布です。
食べながら「何年ぶりだろう?」と考えにひたっていると、50年ほど前、研修医だった私が松竹新喜劇を道頓堀の角座に見に行った時、担当したある患者さんとばったり出くわした時の光景が鮮明によみがえってきました。
家族数人と劇場に来ていた彼は、座席まで来て売店で買ったお菓子を「どうぞこれ!」と手渡してくれました。中に「中野の都こんぶ」がありました。その時も「久しぶりやなぁ、ミヤコ昆布。子供の時以来や」と口にしたのを覚えています。患者さんは肺がんの術後でした。抗がん剤を点滴するとき苦しがっておられたのを思い出します。完治が難しいタイプの肺がんで、しばらくして亡くなられました。
「味」や「匂い」が記憶を鮮明に呼び覚ます「プルースト効果」と呼ばれている現象のことを皆さんはご存じだと思います。先日見た「相棒」の再放送で特命係の杉下右京さんも話題にされておられました。


















