著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

加藤健一事務所「女学生とムッシュ・アンリ」

公開日: 更新日:

 小笠原響の演出も緻密。コメディーの要である会話のテンポの良さはいうに及ばず、瀬戸のセリフを受ける加藤健一の「間」がいつもながら絶妙。気弱な夫がハマリ役の斉藤はドアを開けておずおずと入るしぐさだけで笑いが巻き起こる。加藤忍が義父に疎んじられながらも夫を慈しむ妻役を好演する。

 笑いの中に人生の真理を織り込むフランス喜劇。

「人生は成功するか失敗するかで決まるのではない。肝心なものはほかのどこかにあると、今は思う」

 最終章、死期を悟ったアンリが残した「真意」が胸にしみる。

 舞台上でコンスタンスがピアノを弾く重要なシーンがあるが、9カ月間の特訓を積んだとのことで瀬戸が生演奏。これがまたプロが裸足で逃げ出す素晴らしさ。

 作=イヴァン・カルベラック、訳=中村まり子。13日まで新宿南口・紀伊國屋サザンシアター。

★★★★☆

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  3. 3

    ドジャース大谷翔平「サイ・ヤング賞&首位打者」同時授賞に現実味 4年連続5度目のMVPは既定路線

  4. 4

    見上愛は桐朋女子中高から日芸演劇学科に進んで演出家を志す 大学同級生・河合優実との本当の関係

  5. 5

    山口組、稲川会、住吉会…最高幹部3者の極秘会食で何が話し合われたのか

  1. 6

    嵐が去った後に340万人のファンが向かう先…Snow Man、M!LKに次いで有力“不祥事グループ”「ACEes」に募る不安

  2. 7

    ミスチル、銀杏BOYZ、T-BOLANの直前ライブ中止〈はやく判断できないのか〉アーティストの決断が遅れる背景とジレンマ

  3. 8

    「Aぇ!group」草間リチャード敬太は事件から“ほぼ復活” 大阪学院大で学んだ苦労人の前途

  4. 9

    巨人橋上監督代行が坂本勇人に肩入れする事情…出場メンバーとオーダーに“唯一”口を出した

  5. 10

    高市首相ハレンチ答弁の醜悪! 中傷動画疑惑めぐる「秘書音声」追及に「文春の有料会員イヤ」と屁理屈