著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

シュール芸でM-1決勝へ 個性派コンビ「馬鹿よ貴方」の素顔

公開日: 更新日:

連載コラム 2016新春「笑」芸人解体新書】

 14年の「THE MANZAI」と15年の「M-1グランプリ」で2年連続の決勝進出。その経歴だけを見れば、新道竜巳(38)と平井“ファラオ”光(31)の馬鹿よ貴方はは、揺るぎない実力を持った漫才師という感じがする。だが、実はなかなか一筋縄ではいかない個性的なコンビだ。

「M-1」決勝の大舞台では、自由奔放なファラオのボケが冴え渡り、後半は彼が「大丈夫だよ、大丈夫か、大丈夫……」と同じフレーズを約40秒間延々と繰り返す、という挑戦的な試みを見せていた。いかにも好みが分かれそうなとんがったパフォーマンスであり、見ている方が試されているような漫才だった。

 この日、トップバッターのメイプル超合金に続いて、2番手にも変わり種の彼らが出てきたことで、審査員のサンドウィッチマン富澤たけしも「M-1ってこんなんでしたっけ!?」と驚きの声を漏らしていた。

 馬鹿よ貴方はは、芸風だけでなく見た目も異様だ。新道はコンビニに買い物に行く若者のような普段着っぽい格好で堂々と舞台に立つ。目が細くて顔立ちも地味。存在感を消すことにかけては一流だ。一方のファラオは、長髪にヒゲと丸メガネが印象的で、まるで考古学者のようなたたずまい。所属事務所であるオフィス北野のトップに立つビートたけしは、2人の風貌を見て「キリストと普通の人か!」と言い放ったという。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ