朴槿恵が危険視…階級闘争を暴力的に風刺した問題作

公開日: 更新日:

スノーピアサー(2013年 ポン・ジュノ監督)

 ポン・ジュノ監督が「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー賞を取ったことで改めて注目されたのが朴槿恵だ。大統領時代、この「スノーピアサー」が抵抗運動をあおるとの理由で同監督を文化芸術界のブラックリストに入れたという。本作は抑圧された階級社会を暴力的に風刺した問題作だ。

 2031年、地球は温暖化対策の失敗で雪に覆われ、人類は死滅。わずかに生き残った人間がスノーピアサーと呼ばれる列車で暮らしていた。前方車両に富裕層が、薄暗く不衛生な最後尾には貧困層が住んでいる。貧困者のカーティス(C・エバンス)らは食料として粗末なプロテインを与えられ、反抗のチャンスをうかがっていた。

 そんな折、彼は兵士の銃に弾が入ってないと見抜いて反乱を起こし、車両を占拠。エンジニアのミンス(ソン・ガンホ)の協力を得て先頭車両を目指す。だが次の扉を開くと、そこにはナタを手にした暴力集団が待ち構えていた……。

 抵抗した貧困者の腕を凍らせハンマーで粉砕するのは731部隊さながら。ナタで襲いかかる男たちは香港の機動隊のように凶暴だ。朴槿恵がいみじくも指摘したように、本作は支配する者と支配される者の抵抗運動(階級闘争)のシリアスドラマ

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃