PANTA特別インタビュー 自粛警察でなく頭脳警察呼んでくれ

公開日: 更新日:

 1969年にデビューし、挑発的な歌詞とパフォーマンスで若者の圧倒的な支持を集め、今も変わらぬ熱量で疾走し続けるロックバンド「頭脳警察」。PANTA(ギター&ボーカル)とTOSHI(ドラムス&パーカッション)の2人の50年の軌跡を追ったドキュメンタリー映画「zk/頭脳警察50 未来への鼓動」(監督・末永賢)が完成。PANTAに映画への熱い思いを聞いた。

■ブルースを封印した理由

 ――頭脳警察といえば常に「過激」のイメージがつきまとうが。

「デビューする前の年、1968年が全世界で同時多発的に起きた学生運動や革命運動のピークで、実は69年以降は急速に終息に向かって運動が転落していく時代なんだ。72年のファーストアルバムには『世界革命戦争宣言』や『赤軍兵士の詩』というアジテーションの曲が入っていたけど、連合赤軍のあさま山荘事件が起きたこともあって即刻発売禁止。3カ月後のセカンドアルバムも回収。時代の変転と重なってしまったわけで、不幸な出発だったかもしれないね」

 ――自身の音楽志向は?

「小学生でエルビス・プレスリーに出会い、中学生でビートルズ。その後はローリング・ストーンズ、アニマルズ、そしてマディー・ウォーターズやサム・クックらの黒人ブルースに傾倒していくというお定まりのロック少年だった。でも18歳のころ、日本人の自分に黒人差別という背景があるブルースは歌えるのかと真剣に悩み、ブルースは封印した。今また黒人差別抗議デモが全世界で巻き起こっているけど、その時の自分を思い出すね」

 ――最初は大手芸能プロのホリプロがスタートだが。

「学生時代に組んでいたバンドのメンバーの兄がホリプロのマネジャーでね。スカウトされて、当時人気絶頂のグループサウンズ(GS)『オックス』の弟バンドとしてデビューさせられる予定だった。でもとんがってる年齢だし、『そんな女こどもの音楽なんかやってられるか』とケツまくってね(笑い)。その後、一時、MOJOっていうGSのボーカルをやっていたこともある。弘田三枝子のバックバンドで、デパートの屋上のビアガーデンで演奏したりね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に