次の南海トラフ巨大地震は「2035年をピークに前後5年」と専門家…しかも3連動の可能性を指摘
東日本大震災から14年。東日本で起きた大地震に対して、西日本で起きるリスクが高いのが南海トラフの巨大地震だ。南海トラフ巨大地震の対象は三つの場所、静岡沖の東海地震、名古屋沖の東南海地震、四国沖の南海地震と分かれ、さらにもう一つ、九州沖の日向灘地震の四つの地震が連動して、南海トラフ巨大地震が予想される。「大人のための地学の教室」(ダイヤモンド社)の著者で、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏(火山学)は、「2030年代でいまから約10年後」の発生を予想しているという(同書から一部抜粋・再編集しています)。
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──「2025年7月の大災害」が世間を騒がせましたが、現実として発生はいつになると予測していますか。
2035年をピークにしてその前後の5年です。すなわち、2030年から40年までの「2030年代」と私は表現しています。南海トラフ巨大地震はこれまでも何回も発生していて、その都度大きな被害をもたらしてきました。だいたい百年に一回ぐらいの歴史です。また、江戸時代に宝永地震(1707年)、安政南海地震(1854年)、昭和南海地震(1946年)が起きています。それらは先ほどお話ししたように、名古屋沖の東南海地震、四国沖の南海地震が連動しています。『大人のための地学の教室』(ダイヤモンド社)にも詳しく説明しましたが、地殻変動のデータから次の南海トラフ巨大地震が起きる時期は2030年代とされています。