工藤公康さんは「バカにされてもいいから」と、自腹を割いて常に“時の最先端”を研究していた
元ソフトバンク広報・田尻一郎氏による「鷹の真実」(第19回=2024年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで多くの球界OB、関係者による回顧録、交遊録を連載してきた。
当事者として接してきたからこそ見える、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となりが記されており、当時の空気や関係性がありありと浮かび上がってくる。本企画では、そうした一編を過去の連載の中からピックアップ。あらためて掲載する。
今回は前ソフトバンク監督の工藤公康氏について語られた、元球団広報・田尻一郎氏による「鷹の真実」(2024年=第19回)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。
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元監督の工藤公康さん(61)とは、工藤さんがダイエーで現役だった頃からの付き合いです。
当時、打撃投手だった僕はウマが合うのか「一郎、一郎」と可愛がってもらいました。工藤さんが下の名前で他人を呼ぶことは珍しいようで、年下の広報に「田尻さん、工藤さんに一郎って呼ばれてるんですか?」と驚かれたこともある(笑)。
東京遠征で翌日の試合がナイターの時は「明日、朝9時半、ホテルのフロント集合ね」と言われ、僕が「何かあるんですか?」と聞くと、工藤さんはひと言、「パチンコ」(笑)。