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神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

必需品の張り扇は手作り 大切に使っても2カ月でダメになる

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 今回は目先を変えて、講談と落語の高座スタイルの素朴な違いを解説していただこう。落語で用意されるのは座布団一枚だが、講談では釈台と呼ばれる台と張り扇が必需品。講談の七五調の名調子はこの2つがなければ生まれないものだ。

「講談はもともと講釈師が物語を読んで聞いてもらいました。その時にリズムを取りながら話すために張り扇を使った。釈台と張り扇はその名残で、張り扇はリズムを取る、リズム楽器のようなものです。張り扇で釈台を調子よくポンポン打つ音を聞くと、お客さんはなんだ、どうなると次を聞きたくてつい身を乗り出すわけです」

 張り扇の打ち方にルールはあるのだろうか。

「ルールというか、どう打つかは決まっていません。その人その人で打ち方は異なります。ただバナナの叩き売りがやるみたいに、力任せにやるもんじゃない。昔の速記本を見るとパンパンではなく、ポンポンって書いています。私はポンポンという感じで打ちます。面白くみせようとして派手に打つ人もいますが、私は好きじゃないです」

 張り扇でいい音を出したい。そのために質のいい張り扇を手にしたいが……。

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