著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

必需品の張り扇は手作り 大切に使っても2カ月でダメになる

公開日: 更新日:

「実は張り扇はその人その人の手作りです。踊り用の舞扇子を2つに割り、『西ノ内』という茨城名産の和紙を幾重にも貼っています。扇の上部だけに糊(のり)をつけて幾重にも巻くんです。ただし、下部は糊をつけません。そうして幾重にも巻くと空間ができて、打つといい音が出るんです」

 その人なりに工夫もしているという。

女性の講釈師は色紙を貼ってかわいいものを作ったりしています。ただ基本は自分の声に合わせた音が出るような張り扇を作ることです。私は声が低いので重厚な音が出るように作っています。私がポンポンという重厚な音なら伯山はパパーンと早い音です。高座を見てもらえば私の張り扇と伯山の張り扇の違いがはっきりわかると思います。張り扇は大切に使っていても2カ月ぐらいでダメになっちゃう。手元が壊れるんです。なので、つねに4、5本を予備で持っています」

 釈台はどうか。

「釈台はそれぞれの寄席で用意しているものを使います。地方や寄席以外の時は旅用の釈台を持っていきます。講釈師はみんな自分の組み立て式の釈台を持っています。私は3台です」

 メリハリの利いた張り扇の音に引かれ、講談に興味を持つ人が増えている……そんな一面があるかもしれない。

(構成=浦上優)

【連載】「講談」ブーム再来の舞台裏

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「遅刻横行」「新入生は練習禁止」…かつての神村学園を変えた小田監督が語った指揮官の矜持

  2. 2

    前田敦子“アンダーヘア透け疑惑”写真集が絶好調! トップ張った元アイドルの生き様を女性が強く支持

  3. 3

    「9条守れ!」雨の国会前で改憲反対デモに2万4000人が集結! 参加者は手にペンライト、若者も大勢集まる

  4. 4

    元プロ野球選手の九州国際大付・楠城祐介監督に聞いた「給料」「世襲の損得」「指導法」

  5. 5

    「高市離れ」が参院自民と霞が関で急加速 11年ぶり暫定予算ドタバタ編成がダメ押しに

  1. 6

    佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れていた

  2. 7

    沖縄尚学の左腕・末吉良丞は日米争奪戦を呼ぶ「間違いなくドラ1候補」

  3. 8

    山田裕貴「新撰組」SPドラマは盤石ムードも…続きはU-NEXT配信の“まき餌”商法に視聴者離れの懸念

  4. 9

    高市首相の日米首脳会談「帰朝報告」は中身スカスカ…イラン情勢の詳細は「お答え控える」連発の厚顔

  5. 10

    岸田元首相が異例のバラエティー番組出演 “増税メガネ”ネタで大ハシャギのウラに潜む焦りと執念