著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<180>逮捕の3年後に裁判が開かれた「シュノーケル殺人事件」

公開日: 更新日:

 この作戦がミスだったと思うマスコミ関係者は多いし、私もそう感じている。

 この裁判が和歌山地裁で開かれたのは逮捕からなんと3年も経った21年3月のことであった。裁判員裁判として約2週間審理された結果、懲役19年の判決が下され、被告側は控訴している。

 在阪テレビ局の報道記者は、「夫が犯人ならば、仮死状態の妻を発見したというのが不自然な気がします。妻の意識が回復したら夫の犯行と証言されるんですよ。果たしてそんな危ない橋を渡るものでしょうか?」とクビをかしげる。

「解剖で胃から検出されたという砂も、検察は裁判で、解剖した病院が紛失してしまったと明らかにしました。証拠品を紛失ってあり得ないと思うんですが、それを証明するために白浜町内の5カ所の磯の砂を医者に示して『どれがくだんの砂でしたか?』と裁判でやっているんです。砂を見せて選ばせたところで信憑性は全くないと思うのに、弁護側から強い抗議もなかった。結局、裁判では、夫の愛人などを証人で呼んで情状に訴える作戦を取った検察が勝利しましたが、ずさんな裁判だったという印象が残っています。検察は、21年3月に有罪判決が出たこの事件を参考にして、ドン・ファン事件でも同じように進めていく可能性は十分に考えられると思います」

 そんな適当な進め方で、検察は早貴被告を有罪にできるのだろうか。  =つづく

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