暑さを忘れて謎解きに没頭!ミステリー文庫特集(1)「魔都シカモア」イアン・ロジャーズ著、風間賢二訳
主人公とともに事件に巻き込まれながら、謎解きに浸るのがミステリー小説の醍醐味。今回は、2026年に読みたい傑作短編集や、異色の海外ミステリーなど4冊をピックアップした。犯人を解明するスッキリ感や、トリックに気づくゾクゾク体験で、夏の暑さを忘れよう。
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「魔都シカモア」イアン・ロジャーズ著、風間賢二訳
異色のSFミステリーである。
私立探偵のフィリックスは、スーザンという女性から夫を捜して欲しいという依頼を受ける。しかし、それはたやすい仕事ではなかった。80年以上前の出来事を発端として、世界が変わってしまったからだ。
1945年、アメリカ海軍の爆撃機編隊がフロリダ沖で消息を絶った。探索隊が見つけたのは、人間の住む次元の隣に横たわる暗黒の別世界「ブラックランド」への入り口(ポータル)。以降、その海域はバミューダトライアングルとして閉鎖されてきたが、陸地にも新たな入り口が出現する事態が続いていた。
ブラックランドには人狼や吸血鬼などの化け物が跋扈し、近づいた人間は軒並み命を奪われてきた。ポータルは今なお出現し続けている。スーザンの夫は車の中に致死量の血痕を残しており、しかし死体だけが見つからない。ブラックランドに引きずり込まれた可能性もあり、フィリックスはその魔界へと足を踏み入れることになる。 (新潮社 1210円)



















