ハーランドは若き日の釜本邦茂にそっくり 盟友・二村昭雄氏が語る「怪物」の原点
スペインの2回目の戴冠で大団円を迎えた北中米W杯。
世界中のサッカーファンの目をくぎ付けにしたのが、身長195センチ・体重95キロの偉丈夫FWとしてゴールを量産したノルウェー代表の「怪物」ハーランド(26)だ。
その超絶ストライカーと「そっくりの点取り屋が日本にいました」と言い切った元日本代表の技巧派チャンスメーカーがいる。
日本サッカー界が生んだ不世出のストライカー・釜本邦茂氏(2025年8月10日に81歳で死去)の1学年先輩として中学、高校、大学と通算7年間、チームメートとしてプレーして釜本氏のゴールをお膳立てした二村昭雄(にむら・てるお)氏(84=写真)が、その人である。
「もともとハーランドのプレーを見ながら、ガマ(釜本氏)のことを思い出していました。ガッチリとして鍛えられた体躯、相手のアタックを寄せ付けない強靭なフィジカル、そして常にゴールを陥れようとする貪欲さ……ストライカー特有の佇まいというか、滲み出てくる気配というか、ハーランドと若き日のガマの姿がダブって仕方ありませんでした」
英プレミアの強豪マンチェスター・シティの大黒柱FWとして、サッカーファンの間では知らぬ者はいないハーランドだが、その名が世界中に響き渡ったのは、北中米W杯のラウンド16で王国ブラジルを蹴散らした2本のスーパーゴールだろう。
後半34分、左からのクロスに反応してジャンプ一番、競り合ったブラジルDFを吹っ飛ばしながら、空中で上半身を時計回りにグイ! とひねりながら強烈ヘディングシュート。ボールはゴール右にワンバウンドしながら吸い込まれていった。
その11分後だった。ペナルティーエリアの外でボールを足元に収めたハーランドが、迷うことなく左足を振り抜くとボールはゴール右サイドネットに突き刺さった。
ブラジル選手の心を萎えさせるに十分な強烈シュート2本を繰り出した怪物ストライカーが、28年ぶり出場のノルウェーのベスト8初進出の原動力となった。
「ハーランドと同様、跳躍力のあるガマは空中戦を得意とし、右からのクロスを体をひねりながらゴール左に、同じように逆の左からのクロスはゴール右に叩き込むのが得意でした。あと釜本といえば<右45度からの右足シュート>ですが、左サイドからでも中央からでも<イケる!>と判断したら積極果敢にシュートを放っていくタイプでした。ブラジル戦のハーランドの2ゴールは、若き日のガマと本当にそっくりでした」
京都・太秦生まれの二村氏と釜本氏は「1歳違いの竹馬の友」である。
「小学校に上がる前から一緒になって隠れん坊をしたり、駄菓子屋に行ったり、そんな間柄でした。サッカーが盛んだった太秦小では冬になるとサッカー大会があり、学年の違うガマは対戦相手でした。チームメートとしてサッカーを本格的にやり始めたのは、地元の蜂ヶ岡中に進んでからですが、実は私、入学して野球部の門を叩いたのです。でも一年坊主は球拾い専門。一度も打たせてもらえない。8月に辞めてしまいました。もっともおかしなルールがあり、退部者は先輩から<殴られてから辞める>という儀式がありました。理不尽なことです。サッカー部に入ってボールを蹴り始め、2年に上がる前に顧問の先生たちから『太秦小から入ってくる新入生・釜本邦茂は絶対にサッカー部に入れるんだぞ』と厳命されました」
野球の話を続けると――。釜本氏はバットとグローブを持たせても「ずば抜けた存在でした」と二村氏は70年前の思い出を話す。


















