「北斗の拳」連載開始40周年 生みの親が語る 原哲夫「すぐ死ぬ脇役こそ手を抜かずに描いた」

公開日: 更新日:

「お前はもう死んでいる」──。1980年代、少年たちのハートをわし掴みにした大ヒット漫画「北斗の拳」。1983年9月、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載が始まると、瞬く間に大人気漫画へと駆け上がった。連載開始から40周年を迎える生みの親に、ざっくばらんに語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

「40周年と聞いて思い出すのが、石ノ森章太郎先生の『サイボーグ009』が連載開始40周年を迎えた際、記念色紙を描いたことです。その時に『連載40周年かあ……、すごいなあ……』と思っていましたが、ついに『北斗の拳』も40年経ってしまったのかと思うと、やはり感慨深いところがありますね」

北斗の拳」の連載期間は約4年10カ月。毎週20ページに及ぶ執筆は、苦労の連続だった。

■描き終わったら死んだように寝る

「徹夜で描いてはロクに風呂も入らず、描き終わったら死んだように寝て、起きたらすぐ次号に取り掛かる。この繰り返しでした。体のケアの仕方も知らないし、運動もしていなかったから、どんどん歩けなくなったり、肩こりや腱鞘炎が悪化したり……。身体的には無理な状態が続いていたとはいえ、『北斗の拳』が読者に喜んでいただけていたので、ノって描けていました。本当は絵を徹底的に描き込みたいタイプなので、1コマ1コマをアートみたいな絵で埋めて、全部カラーにしたかったのですが、週刊連載では締め切りがあるので、最後はガーッと一気呵成に描き上げていました。劇画調のリアルな絵が好きな自分としては、やや絵が荒くなってしまった感はありますが、それはそれで少年漫画っぽさが出たかなと思います」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」