高市政権が「企業投資」を阻む…長期金利2%突破で“利上げ不況”のリスクも我関せずの無責任
常にさえずるカナリアが鳴かなくなったら、それは危険のシグナルである──。いわゆる「炭鉱のカナリア」だが、金融市場では「金利=カナリア」と言われている。足元の長期金利の上昇は景気後退の予兆か。
日銀が19日に追加利上げを決め、同日の債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが、前日比0.055%高い2.020%に上昇(価格は下落)。節目の2%を超え、26年4カ月ぶりの高水準に達した。
背景にあるのは、日銀が利上げを継続するとの予想と、積極財政を掲げる高市政権の財政悪化に対する懸念だ。日銀の植田総裁は19日の会見で、長期金利上昇について具体的なコメントを避けつつ、急騰などの例外的な動きを念頭に「機動的に、場合によってはオペ(公開市場操作)を実施する」と改めて牽制した。
■わずか3カ月足らずで2%を突破
高市首相が自民党総裁に就任する前、1.660%だった長期金利は、わずか3カ月足らずで2%を突破。今や「年内に2.2%、場合によっては2.5%付近まで上昇しても不思議ではない」(市場関係者)という状況だ。しかし、高市首相の国会答弁を振り返ると、「市場のカナリア」への無関心が浮かぶ。
今月10日の衆院予算委員会。立憲民主党の今井雅人議員が金利上昇への危機感をにじませ、抑制的な財政政策を求めたのに対し、高市首相はこう言い放った。
「長期金利が上がり続けていくこと『よりも』、これから日本が成長していく、どんなリスクにも強い国になっていく、それによって債務残高対GDP比が緩やかに下がっていくという姿を見せる方が大事だと思っている」


















