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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

公開日: 更新日:

 今年は邦画の当たり年だった。「国宝」を皮切りに「爆弾」がヒット。現在も観客動員を続けているのが山田洋次監督の「TOKYOタクシー」。この3作品の共通点が脇役の存在だ。

「国宝」にはハリウッド俳優で数々の作品に主演歴のある渡辺謙が脇を務め、「爆弾」では佐藤二朗の重厚な演技が物語を支えヒットの要因になった。

「TOKYOタクシー」は木村拓哉と倍賞千恵子のダブル主演だが、倍賞の若き日を蒼井優が演じるなど物語の流れの中心は倍賞演じる85歳のマダムの終活に向けたタクシーの旅。現在84歳の倍賞の等身大の演技に「倍賞さんよかった」と観客は魅了された。木村がかすむほどだったが、「倍賞ここにあり」を改めて認識させた。

男はつらいよ」の寅さん(渥美清)の妹・さくら役を長きにわたり務めた倍賞。その演技は常に自然体。葛飾柴又の“とらや”の店先に本当にいるような親近感を持たれていた。

 倍賞は松竹歌劇団から女優に転身。「紅白」にも出場するなど歌手でも活動していた時期もあったが、ドラマよりも映画に軸足を置きブレることなく今年で64年。「映画女優」と呼ばれる唯一無二の存在だ。

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