ジャニーズの性加害報告書で異例の「メディアの責任」が盛り込まれた根深い背景

公開日: 更新日:

「多くのマスメディアが正面から取り上げてこなかった」「メディアはその影響力を行使することにより、人権侵害を即時にやめさせるべきであったし、できたはずであった」

 メディアに対する苦言はなぜ、盛り込まれたのか。ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題を巡り、事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が8月29日に公表した調査報告書のことだ。

 報告書は前社長の性加害の事実を認める一方、「マスメディアの沈黙」と題した項目でメディアの報道姿勢についても踏み込んだ。要約すると、多くのメディアが事務所に対して忖度や過度な配慮をみせ、性加害問題を真正面から取り上げず、結果として「性加害も継続されることになり、さらに多くの被害者を出すことになったと考えられる」と指摘しているのだが、不祥事などを調べる第三者委員会が当事者ではないメディアの責任に触れるのは異例だろう。

 報告書を公表した際の会見場に微妙な空気が流れたのも無理はない。

■検察官の定年延長問題でもメディアは尻込み

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方