ジャニーズの性加害報告書で異例の「メディアの責任」が盛り込まれた根深い背景

公開日: 更新日:

 司法記者の間でささやかれていたのは、特別チームの座長を務めた林真琴前検事総長(66)の思いがあったのではないか、との指摘だ。

「林さんは早くから検事総長に就く人物と目され、法務省刑事局長から事務次官になるはずだったが、当時の安倍官邸がこの人事をはねつけ、菅官房長官と近しかった法務省官房長の黒川さんを次官にした。そして、名古屋高検検事長に就いた林さんがいよいよ検事総長に、という時に出てきたのが突然の検察官の定年延長という話。政権の守護神と言われた黒川さんを何が何でも検事総長にしたいという安倍官邸の意向だったわけですが、ここまで恣意的だと法治国家でも何でもない。しかし、当時のメディアは皆、官邸ににらまれるのが怖くて真正面から批判しなかった。結局、黒川さんは記者とのマージャン賭博が報じられ、定年延長の改正法案も流れたわけですが、林さんはこの時のメディアのふがいなさ、強いものに弱腰の報道姿勢に呆れたのではないか」(週刊誌記者)

 報告書があえて「マスメディアの沈黙」と題したのも、報道機関に対して「沈黙していいのか」「傍観者でいいのか」という叱咤激励する意味が込められていたのかもしれない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解