(33)三浦海岸でのんびり散歩酒
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1日がかりで遠出をして飲むことがある。いや、気持ちのいいところまで出かけて行って、結果的にそこで飲むといったほうが正確か。定期的に行くのは江ノ島だ。とはいえ、江ノ島へ渡ることはまずない。片瀬江ノ島駅前のバーで飲み始め、江ノ電で鎌倉へ出て小料理屋さんで仕上げて帰るのである。
もう少し遠くまで行きたいときは、気が向けば1泊するくらいの気持ちで出かける。江ノ島よりもっと西となると、真鶴あたりもいい。岬の森の中を歩き、港の近くでうまい魚を喰い、帰りたくなくなれば釣り宿か、湯河原の温泉宿という手もある。
以前、三浦海岸まで出かけたときも、海岸を歩き、気が向いたら三崎口からバスに乗って港へ行き、泊るところを探せばいいと、ぼんやり考えていた。
実際には、三浦海岸の砂浜を眺めながらの散策がことのほか楽しく、長い時間を浜で過ごすことになった。浜から駅へ戻るとき、古い民家の並ぶ細道をぶらぶら気の向くままに歩いていると、漁師町特有の匂いというか、ちょっと枯れた空気が感じられた。それは昔、紀州の母方の生家へ旅をしたときに見た、石畳の細道を思い起こさせた。満潮時には港から水が上がってくるのか、側溝の中を小さなカニが走っていた。
















