【追悼】もんたよしのりさん 最後の日まで貫いた渾身のロック魂…原点は神戸のダンスホール

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 シンガー・ソングライター、もんたよしのりさんは亡くなった当日の今月18日も仕事の予定があったそうだ。ラジオ番組に生出演するはずだったが、早朝に大動脈解離で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった。享年72。

 中2の工作の授業中、ラジオから流れてきたビートルズの「抱きしめたい」に触発されバンド活動をスタートさせた。報徳学園高校時代、神戸の三宮にあった「宝石」というダンスホールに丸刈りで通い詰め、ステージでライブをやっていた高校の先輩から「欠員が出た。おまえ歌ってみるか」と声がかかり、マイクを握った。あのしゃがれた声は、波止場や、自宅で枕に顔をうずめ、叫んで手に入れたものであった。

 20歳で上京、プロのボーカリストとして活動をはじめた。しかし、ヒット曲に恵まれない。失意のなか神戸に戻り、実家の寝具インテリア販売店を継ぐ道も考えたが、夢を諦めきれず、再び上京。そして29歳のとき、最後のチャンスとして、リリースしたシングルが代表曲「ダンシング・オールナイト」であった。

 このとき「能書きをいわず、よそいきにもせず、それまでずっと音楽をやってきた自分の証し」として、イメージしたのは三宮のダンスホール。ミラーボールのまわる光の破片のなか、多くの若者が体を揺らしていた青春時代のシーンであった。構成作家のチャッピー加藤氏が言う。

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