著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

ウエストランドは「10:0」のバランスで成り立っている不思議なコンビ

公開日: 更新日:

 しかし、そこからブレークすることはできず、しばらくはライブ中心の活動が続いた。芸人としての収入が少なかった時期には、河本は妻子に逃げられ、リフォーム会社に就職して固定収入を得ていたこともあった。井口も家賃滞納でアパートの大家に心配され、近所の炊き出しの情報を教えられたりもした。

 そんな彼らは、20年に「M-1」の決勝に進んだことで復活のきっかけをつかんだ。このときには敗退したものの、その後もネタを磨き続けて、2年後に優勝を果たした。

 長年くすぶり続ける中で井口の愚痴が徐々に熟成され、新たなウマミが出てきた。それが22年の段階でちょうど仕上がり切っていたことが彼らの勝因だ。

 すでに井口のワンマンコンビという印象があり、テレビ出演の機会も井口の方が圧倒的に多い。しかし、相方の河本は何もできないポンコツキャラとして知られ、井口の横にいるだけで彼の怒りを買い、愚痴を誘発させる触媒として存在価値がある。ウエストランドは「10:0」のバランスで成り立っている不思議なコンビなのだ。

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