坂本龍一さん密着取材者が述懐 世界の音楽家が遺した言葉「届く言葉や表現を探さないといけない」の重さ

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「撮影した映像素材のうち、編集を経てオンエアされるのはほんの一部。『WAR AND PEACE 日本語版』のメーキングを盛り込みましたが、ああした場面は当時、放送にはほとんど出せていません。坂本さんの『息遣い』みたいなものが伝えられてないのでは、という思いがありました」

 NEWS23の企画で立ち上がった「WAR AND PEACE 日本語版」は全国から詩を募集し、その朗読に坂本さんが曲を重ねた。番組ではYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)にMr.Childrenの桜井和寿、小山田圭吾、山本ムーグが加わって演奏。その様子も収録されている。

「製作中に坂本さんが何度も口にしていた『人々に届く言葉や表現を探さないといけない』という言葉が胸に残っています。正しいと思うことを語るだけではダメ、どんな言葉を選んだら人に伝わるかを考え抜かないといけない。表現に携わる厳しさと覚悟を感じました」

 坂本さんが反対した安保法制強行から8年あまり。防衛費は倍増され、この国は軍国化の道を突き進んでいる。坂本さんが発した数々のメッセージを今ほど噛みしめるべき時はない。

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