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佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

坂本龍一と名物編集者だった父と脱原発の新右翼

公開日: 更新日:

坂本龍一(2023年3月28日没 享年71)

 新右翼といわれた鈴木邦男の「お別れの会」が開かれるのと時を同じくして坂本龍一が逝った。

 この2人に共著があることに触れた追悼記事はなかった。その対話は2014年に出ている。 題して『愛国者の憂鬱』(金曜日)。オビに「教授、右翼と何の密談ですか!?」とあり、「脱原発、天皇制、音楽の起源ーー。世間が アベノミクスに浮かれ、レイシズムの言葉が飛び交う中、危機感に駆られた2人が緊急会合!  10時間にわたり思いを語り尽くした」 と続く。

 2人は2012年に首相官邸前で開かれた脱原発の集会で会った。偶然、隣り合わせにすわったのである。編集者に紹介されたのだが、 坂本は鈴木を「右翼だからさぞかし怖い人だろう」と思っていた。新左翼の人間とも話す「変わった右翼」として知ってはいた。坂本の鈴木評を引く。

「初めて会って、至近距離で見た鈴木さんの目の、なんと穏やかなこと。もう少しで仙人になってしまいそうな好々爺の目です。こんな優しい目をした人にあまり会った記憶がありません。きっと長い時間、孤独に耐えて思索してきた人の目だろう、そしてこの脱原発の集会で会うとは、なんとも象徴的に今の日本の状況を表しているとも」

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