著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

真田広之の飽くなき執念がハリウッドの壁を切り崩し、「SHOGUN 将軍」にエミー賞18冠をもたらした

公開日: 更新日:

 授賞式で「夢がかなった!」と叫んだ真田の言葉には、苦労してきたこれまでの思いが集約されていた。作品は戦国時代を描いた時代劇。日本語で通し、字幕に英語を入れたのは、「メード・イン・ジャパン」を強調するこだわりだったのだろう。

 作品に対する思いも印象的だった。

「これまで時代劇を継承、支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生に心より御礼申し上げます」と語った。

 5歳で子役デビューした真田は最初に共演した千葉真一との出会いが俳優人生の起点になった。

 千葉が主宰するアクションクラブに入団。師弟関係を築いた。1978年、オーディションで深作欣二監督の「柳生一族の陰謀」に起用され時代劇に目覚めた。「忍者武芸帖」など時代劇で見せる華麗な殺陣と立ち居振る舞いは過去の時代劇の観念を一蹴。「動きがきれい」と表現された。「麻雀放浪記」など現代モノでも代表作はあったが、真田の根底に流れていたのが時代劇だ。

 東映が時代劇全盛期だった時代、著者も取材で何度となく京都・太秦の東映撮影所に足を運んだ。スターには相手にされなかったが、大部屋俳優や裏方の人は気さくに接してくれた。先斗町で夜遅くまで飲み歩いても翌日、仕事となると彼らの目の色は違っていた。声など掛けられない。逆に「邪魔だ、どけ」と容赦なく声が飛ぶ。照明マンの話が印象に残っている。

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