「いまは何が流行っているのか分からない」昭和世代の戸惑いと3.9兆円の「令和の推し活」市場
かつて、日本中が同じ方向を向いていた時代があった。昭和のプロ野球であれば巨人戦、アイドルであれば山口百恵や松田聖子。茶の間にいれば、誰もが同じ「熱狂」を共有していた。
だが、いまの「推し活」は、その延長線上にはない。芸能ライターの佐藤勇馬氏は言う。
「70年代には山口百恵という“伝説的スター”が誕生し、当時はテレビという巨大メディアがスターを生み出す装置として機能していた。しかし現在はYouTubeやSNS、配信サービスなどメディアが細分化し、人々の趣味嗜好も多様化している。その結果、かつてのような”誰もが知るスター”が生まれにくい環境になったと言われる」
令和の時代には、地下アイドル、VTuber、声優、韓流、スポーツ選手など無数の選択肢の中から「自分だけの推し」を選ぶ。しかもそれは他人と共有される必要がない。ここに、熱狂の質的転換がある。
81.4%という驚異的な視聴率を記録した昭和38年のNHK紅白歌合戦のような現象は、令和では望むべくもないだろう。


















