著者のコラム一覧
宮崎紘一ゴルフジャーナリスト

低迷続く男子ツアーに新展開 “経営再建のプロ集団”はどんな打開策を使うのか

公開日: 更新日:

 低迷が続く国内男子ツアーの救世主になるのか。男子ツアーを統括する一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)と投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK=津坂純社長)が連携し、ジャパン・プロゴルフツアー「J-Tour」(Jツアー)という新会社を設立した。本格始動は来年からだという。

 Jツアーの構想は、ツアー全体の企画・運営、スポンサーシップの管理、放映権及び配信権の管理、並びにマーケティング及びファンエンゲージメント施策などに先行投資を行うというもの。NSSKは今後5年から10年で、150億から200億円の支援により、男子ツアーの価値を上げ、人気回復により、赤字体質から利益を生む組織に変えていくことが最大の狙いのようだ。

 一方JGTOは、競技や選手の管理、育成などに専念するため、組織の二元化というわけだ。

 計画そのものに異論はないが、その中に大事なものが欠けていないか。それはスターの不在である。

 プロスポーツとは基本的にエンターテインメントだ。エンタメの成功はひとえにスーパースターの存在にかかっている。例えば、投打の二刀流で活躍した大谷翔平だ。日本から大リーグに移籍した大谷は昨季、4度目のMVP獲得。その前年には、大リーグ史上初の「50本塁打-50盗塁」(フィフティー・フィフティー)の記録などで世界中にファンを増やし、大リーグや所属チームに莫大な経済効果をもたらした。

 ゴルフなら、1996年にプロ転向したタイガー・ウッズだろう。彼の人間離れした活躍は世界中のゴルフファンを魅了し、PGAツアーが手にする放映権料は跳ね上がった。

 かつては、国内ツアーにもスターがいた。青木功尾崎将司、中嶋常幸という「AON」が同時代にしのぎを削り、80年代から90年代に、国内では空前のゴルフブームが起こった。AONの衰退後は、高校1年でプロツアーに優勝した石川遼が注目を集めた。それは国内に限ってだが、世代に関係なくファンを惹きつける活躍をしたからだ。

 近年、国内の有望選手は松山英樹を追うように、次々に海外ツアーに移籍する。これまでJGTOは人気低迷の打開策を打てなかった。

 サッカーのプレミアリーグに所属する「アーセナルFC」には、「スター選手は育てるもの」という考え方があると聞く。だが、力のない者をスターに育てることはできない。

 NSSKのホームぺージには「日本産業推進機構グループ(NSSK)は、大手グローバル企業にて国内外の出資活動・出資先企業の支援を30年以上に亘り行ってきたプロフェッショナル達によって設立された、日本企業の支援を重要な目的として掲げるグループです」とある。

 経営再建のプロ集団は、スター育成の知恵をJGTOに授けるのか。それともスター不在のまま、仰天企画でツアーを盛り上げるのか。お手並み拝見である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ゴルフのアクセスランキング

  1. 1

    渋野日向子が「東海クラシック」に電撃参戦! 2019年の“最終日8打差大逆転劇”をもう一度

  2. 2

    日本女子プロV狙う櫻井心那の敵は「海風」と「スロープレー」 熟知する地元コースで開催

  3. 3

    山下美夢有が国内メジャー3冠! “2ヤード刻み”の精密ショットで史上初グランドスラムに王手

  4. 4

    混戦制した河本結の"自己中プレー"に中継解説者が苦言…人気女子プロに問われるモラルとマナー

  5. 5

    佐久間朱莉しかり、自分のゴルフに自信があれば気の強さが顔に出るのは当然です

  1. 6

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  2. 7

    女子プロ下半身醜聞“3股不倫”男性キャディーは「廃業」へ…9年の出禁処分が与える致命的ダメージ

  3. 8

    都倉俊一さん(3)40代から競技ゴルフに挑戦。実力差に愕然としながらのめり込みました

  4. 9

    山下美夢有が全盛期の宮里藍に「勝ってる数字」「負けてる数字」 米女子ツアー“日本人年間最多勝”への期待

  5. 10

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  3. 3

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  4. 4

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです

  5. 5

    阪神・藤川監督「森下&佐藤輝依存」の無策露呈…極端な“外弁慶”で甲子園残り11試合が最大の鬼門に

  1. 6

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  2. 7

    小池都知事肝いり「築地再開発」頓挫の予兆…松平定信の歴史的遺構と建築費高騰のWパンチ

  3. 8

    岸田元首相も“激怒”! 高市首相の内閣改造めぐる“パワハラ”アンケートに自民党内から非難轟々

  4. 9

    高市首相の内閣改造めぐる迷走と誤算…維新の「本命」外し“スネ傷”中司幹事長起用のウラ事情

  5. 10

    林芳正総務相は結局、留任か…高市首相が画策「内閣改造で総裁選ライバル潰し」に“白旗”