『ヘルプ!』大衆的かつ実験的。見事なコーラスワークは再現困難
アルバム『ヘルプ!』(1965年8月6日発売)④
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■『ヘルプ!』①
今ではどうか分からないが、1980年代前半、高校生の頃、ラジオで「ビートルズ人気ベスト10」みたいな企画があると、大体『イエスタデイ』『レット・イット・ビー』『ヘイ・ジュード』に続く4位が『ヘルプ!』だった。
トップ3はポールの曲なので、もしかしたら「日本で一番人気のある、ジョンが作ったビートルズソング」かもしれない。
加えて「今あらためて聴いて、一番グッと来るビートルズソング」かも、とも思った。
ここまでジョンが主導してきた、大衆性と実験性を見事なバランスで配合したビートルズソングの決定版という感じ。
特に「今あらためて聴いて一番グッと来る」のは、個人的には、俗に言う「追っかけコーラス」だった。
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試聴リンク再生時間「0:10」からの歌い出し、ジョンが「♪ホエン・アイ・ウォズ・ヤンガー・ソー・マッチ・ヤンガー・ザン・トゥデイ」と歌うバックで、ポールとジョージが「♪ホエンーーー・ホエン・アイ・ウォズ・ヤング」と歌っている。そしてジョンが先の「♪~ヤンガー・ザン・トゥデイ」を歌い終わるや否や、ポールとジョージが「♪アイ・ネヴァー・ニード」と歌う。続けてジョンが「♪アイ・ネヴァー・ニーディッド~」と歌い継ぐ──。
と文字数を使って説明したが、試聴リンクを聴かれれば、一発で分かるだろう、追っかけコーラスの楽しさが。
これまで何度か書いたように、ビートルズのやることなすことのほとんどは、後世の音楽家に引き継がれ、結果、ロック界の「業界標準」となっていった。
しかし、彼らの大衆的かつ実験的なコーラスワークを引き継ぐには、まずもって優秀なボーカリストが最低でも3人揃わなければ再現できない。結果、後世にはあまり引き継がれなかったように思う。だからこそ、いまだビートルズならではの音像として、グッと来るのではないか。
そんな中「よっしゃ、やってやんよ」と盛り上がった代表は、ブライアン・ウィルソン率いるザ・ビーチ・ボーイズなのだが、例えば、名盤名盤ともてはやされる彼らのアルバム『ペット・サウンズ』(66年)などは、私には実験性が先に立ち過ぎている気がする。
やっぱ『ヘルプ!』のコーラスがいちばんいいな、私には。
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