最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
第20週「手のひらを太陽に」#101
【朝ドラのツボ!】
嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹介され、子どもたちに広く歌われるように。
そんな中、八木(妻夫木聡)から逃げずに漫画を描くよう言われた嵩は、久しぶりに漫画を描こうとするが、なかなか筆が進まず、漫画家として壁にぶち当たっていた。そしてのぶ(今田美桜)も、社会の壁にぶち当たる。のぶが肩を落として帰宅すると、中から女性の声が!
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【本日のツボ】
八木と蘭子がいつの間に!?
※※以下、ネタバレあります※※
「手のひらを太陽に」、瞬く間にレコードになっていました。あらゆる動物や昆虫の中から、なぜミミズやオケラやアメンボをチョイスしたのか、そのあたりの創作秘話も知りたかったのですが、あっというまにレコードになって、姪っ子たちも口ずさむようなヒット曲に……。
創作の苦悩、生みの苦しみが描かれないので、ありがたみが薄れてしまうのでなんともモッタイナイ。気がつけばモテ期到来。人気歌手・白鳥玉恵(久保史緒里・乃木坂46)に「嵩さん」呼びされて、困惑しつつも嬉しそうです。
そして、八木です。「九州コットンセンター」なる会社を設立し、雑貨屋のおじさん、雇われ店長おじさんから社長へと華麗なる転身です。
「のぶさん、お久しぶりです」と声を掛けてきたおっさんが、浮浪児のアキラだったのはビックリです。「あの、アキラくん!?」とのぶも大きな目を見開き、驚いていました。あの坊主の浮浪児がこんなに成長するほど時が経過しているわけですが、肝心のオトナたちがいっこうに年をとらないという……。
「ゴム草履ではなく、ビーチサンダルと言ってください」と出てきた粕谷宣撫班長どのなどは逆に若返ったような……。時空間の歪みに酔いそうです。
のぶ、議員のコネ入社なのにクビとは
突然、現れた蘭子(河合優実)はフリーランスの物書きになっていました。なにやらビーチサンダルの宣伝文の仕事をしているようで、それを八木に見せると、「ありきたりだな。文章は整っているが、それだけだ。誰にも書けるものじゃなくて、君にしか書けないものを書くんだ」とスパルタ指導。
つい数分前に、このビーチサンダルが爆売れで会社を設立したと聞いたような気がしましたが、今さら宣伝文? と思いましたが、それよりも、八木と蘭子がいつの間に、こんな関係になったのでしょう。予想していたこととはいえ……。
もっとも、この日一番の驚きは、のぶがクビになったことです。薪鉄子(戸田恵子)の紹介で入った会社をなにをどうすればクビになるというのでしょう。
「仕方ないのよ、女子社員は若くて素直で、結婚したら会社を辞めて家庭に入る。そういう人を会社は望んでいるのよ」と追いかけて来た後輩に話していたのぶですが、そもそも入社した時から既婚で若くないわけで、急に「女性社員は若くて素直に限る」などということを持ち出されても……。
おまけに、議員のコネ入社だったはずなのに、いまさらなぜクビに!?
よもや、薪鉄子の神通力が通用しなくなったということでしょうか。これまでにのぶが会社で働いているところがまったく描かれていないので、どうしてクビになったのかさっぱりわかりません。
なまこ壁もどきの塀沿いの道を二度ばかり歩いて通勤していたというくらいしか、のぶの仕事に関する情報はありません。それも二度とも同じ後輩が出てきました。しかも、このシーン、一度に撮ったのがバレバレ(笑)。あまりにも雑過ぎやしませんか!?
(桧山珠美/TVコラムニスト)