著者のコラム一覧
小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ホンダ N-ONE e:は驚きの価格!日産サクラより10万円高で電池容量約1.5倍なら意外に売れるかも?

公開日: 更新日:

ホンダ N-ONE e:(車両価格:¥2,699,400/税込み~)

 何度も言ってるが予想以上に普及してない日本市場のバッテリーEV(以下BEV)。一部中国では売れてるとは言え、EV推進派には反省の弁を頂きたいほどだが、それでも気になる新型BEVが登場した。

 8月頭に予約受注を開始した軽コンパクト、ホンダN-ONEのBEVバージョン、N-ONE e:だ。予約段階とはいえ、写真や主要スペックは既にホームページで公開されており、予想以上に売れそうだ。

 その要因は、価格の安さと電池容量の大きさによる。

 基本新型N-ONE e:は去年発売された商用EVのN-VAN e:と主要コンポーネンツを共有する。搭載電池量は29.6kWhと軽にしては大きく、現在日本で一番売れている軽EV、日産サクラの20kWhの約1.5倍!モーター出力も64ps&162Nmとまあまあ。

 航続距離も当然伸びて、モード走行でサクラが180kmしか走らないのに、N-ONE e:は約270km。これは充電環境が厳しい日本においてデカい性能差だ。

この電池容量ならちょっとした遠出もOK

 特に夏場冬場にEVを走らせると空調にエネルギーを取られ、額面の3分の2ほどしか走らなかったりする。サクラなら130km前後しか走れず、しかもEVは電池切れが怖いので、当然残り走行100kmを切ると焦り始める。

 ぶっちゃけサクラで遠出は厳しく、近所の通勤&買い物に使うのが関の山。しかしN-ONE e:ならちょっとした遠出もOK。もしや東京から千葉の試乗会ぐらいは往復できるかもしれない。

 さらなる驚きは、予想以上の専用設計っぷりだ。ぶっちゃけ、エンジン版N-ONEとBEV版N-ONE e:のボディ外板はほぼ共有かと思っていたら、フロントマスクはほぼ新作で、リアパネルもかなり専用設計。

 キラキラ度を増した丸目LEDヘッドライトやスクエア化したフロントグリル、小口化したバンパーは専用設計。リアもナンバープレート位置が刷新され、鉄板部分もボンネットとフロントフェンダーは完全新作。

 インテリアに関してはそれ以上に新作され、ガソリン版とはほぼ全く違う、よりクリーンで直線基調なモダンデザインになった。

日産サクラに踏み切れなかったユーザーに刺さるか

 走りに関しては未公開情報が多いのでわからないが、凝り性のホンダのことだ。あまり変えてないといいつつ、確実に電動化で静粛化し、重量増加分乗り心地も向上、大幅に高級化してくるはず。

 つまり「似たような可愛い丸目フェイス」って部分以外は相当専用設計されているのだ。

 何よりの驚きは価格で、ベーシック版のe:Gグレードが269万9400円で、上級版のe:Lが319万8800円と公表されている。軽としては「高い」と思うかもしれないが、リチウムイオン電池代がかさむBEVである。電池が20kWhしかない日産サクラの普及版Xが259万円であることを考えるとかなり安い。

 電池量ほぼ1.5倍で走行距離が90kmも伸びているにも関わらず、10万円ほどしか高くなってないのだ。

 完全新作でないぶんジミではあるが、日産サクラに踏み切れなかった軽EV狙いのユーザーに刺さる可能性あり。みなさんも秋口に正式発表されたら、ぜひ乗って走りとEVとしてのデキの良さを確かめて欲しい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  2. 2

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  3. 3

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  4. 4

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  5. 5

    ホタテ漁で栄華を極めた北海道猿払村は中国への輸出停止でどうなった?漁師はメディアに“警戒モード”

  1. 6

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 7

    麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

  3. 8

    防衛網は大丈夫か? 危惧される日本のデジタル脆弱性…競争力ランクは中国、韓国より下位

  4. 9

    ペヤングソースやきそば(まるか食品)これまで投入した味は600品以上 2020年発売「モノホントンコツMAX」の評判は…

  5. 10

    関西電力の新経営計画は不十分と“NO”を突きつけたエリオットの狙い

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞