パワーリフティング日本王者・小林和沙さんを直撃! “2児の母”が経験した挫折と新たな挑戦
昨年7月に長崎県対馬市で開催された全日本パワーリフティング選手権(女子76キロ級)で優勝した小林和沙さん(41)。2児の母であり、100円ショップで店長を務めながら1年そこそこのトレーニングで日本一になった。その後の活躍に注目が集まるが、今どうしているのか?
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──優勝後に何か自分や家族に変化はありましたか?
「子供たちにメダルをかけてあげると大喜びでした。主人もメダルをかじったりして(笑)。何よりアジア大会の出場権を得たことで、自分自身のトレーニングの励みとなり、仕事終わりのジム通いに張り合いが出てきました」
──「千葉日報」「婦人公論」などに快挙が取り上げられ、地元の船橋市長に表敬訪問もしました。どんな気持ちでしたか?
「表敬訪問では、メディアが取材に駆けつけてくれて、記者の方がまた取り上げてくれるといった連鎖が起こりました。地元でも話題になり、子供が通う幼稚園の園長先生や行きつけの歯医者さん、高校時代の同級生や友達などに『見たよ』って声をかけられることも。ケーブルテレビに出演できたことはとても刺激になり、うれしくてインスタにアップしちゃいました。知名度が上がってファンが増えたような気がします。地方大会に参加すると『Yahoo!ニュースで見たよ』と声をかけられますし、たまにですが、『一緒に写真を撮ってください』なんて頼まれたりも。パワーリフティングはどちらかというとマイナーな競技なので、一般紙に載ることはまれ。物珍しさも手伝った結果かもしれませんが、競技自体を知ってもらうことはうれしいですね」
■産後ダイエットで筋トレで100キロ持ち上げる
──ベンチプレスで70キロの重量を軽々と挙げる動画を見ましたが、昔からそんなパワーがあったのですか?
「子供のころから力持ちの金太郎でした(笑)。ただ、当時は女の子はおとなしく、ひ弱なものといった常識や周囲の目もあって封印していたんです。社会人になってから大型自動二輪免許を取ってツーリングをしたり、ベリーダンスを始めたりしたのですが、何かしっくりときません。そんなとき、産後ダイエットにと通い始めたジムでスクワットがいいよと教えられ、次はベンチプレス、デッドリフトとウエートトレーニングのやり方の手ほどきを受けたのです。ほいほいと100キロ超えのバーベルを引く(持ち上げる)私を見ていた方が『筋がいい』ってパワーリフティングの世界に誘ってくれました。で、東京都の新人戦に出てみると、次々と都記録を塗り替えてしまい、『ああ、私の居場所はここなんだ』と実感したわけです」