(3)脂肪肝予防…毎食1杯、具だくさんの味噌汁を飲む
脂肪肝の最大の原因が糖質の過剰摂取ならば、糖質以外の食材でお腹を満たすことが最もラクで合理的な脂肪肝予防策となる。肝臓専門医として3万人の患者の診断と治療に携わり、250冊以上の著書のある「栗原クリニック東京・日本橋院」の栗原毅院長が言う。
「おすすめは毎食汁物を飲むことです。脂肪肝の人はごはん、パン、麺類といった主食や甘いお菓子など糖質に偏った食生活を続けがちです。肉や魚、野菜などの具材たっぷりの汁物を食べることでお腹が満たされると、自然と主食の量が減り、糖質の取り過ぎを防いでくれます。食後血糖値の上昇が緩やかになり、脂肪をため込む原因となるインスリンの分泌量も抑えられ、肝臓に脂肪が蓄積するリスクも低下するのです」
汁物のなかでもとくにおすすめは味噌汁だと栗原院長は言う。
「味噌汁のベースとなる味噌には、タンパク質、糖質、脂質の3大栄養素のほかに体の中では生成できない必須アミノ酸がすべて含まれています。例えば、ホルモンバランスを整える機能のあるイソフラボン、コレステロールの吸収を抑えるレシチンやサポニン、血中コレステロールの上昇を抑えるリノール酸、肝機能の維持に必要なビタミンEなどです。これらは大豆には含まれない栄養素であり、大豆が発酵して味噌ができる過程で初めて得られる栄養素です」