SNSでは「怒り」の投稿ほどフェイクであっても拡散されやすい
みなさんは「人の感情や気分が、インターネット上のソーシャルメディアを通じて、まるで風邪のように他者に伝染する」と思いますか? 嫌なニュースを見ていると嫌な気分になるように、SNS上でもそうしたことが起こるのか──。この疑問を解くべく、フェイスブックとコーネル大学のクレイマーらは興味深い研究(2014年)を行っています。
この実験は、約69万人ものフェイスブックユーザーを対象に、1週間という期間を設けて調査しています。まず、クレイマーらは、選ばれたユーザーの「ニュースフィード」(投稿が流れてくる画面)に表示される内容を、こっそりと操作し、大きく分けて2つのグループをつくりました。
ひとつは、「ポジティブな投稿削減グループ」。このグループのユーザーには、友人が書いた「楽しい」「うれしい」といったポジティブな言葉を含む投稿が、通常よりも少なく表示されるように設定。
そしてもうひとつが、「ネガティブな投稿削減グループ」。このグループのユーザーには、友人が書いた「悲しい」「怒っている」といったネガティブな言葉を含む投稿が、通常よりも少なく表示されるように設定しました。システム上の特別なプログラムを使って、投稿に含まれる言葉の種類で判断し、ユーザー自身には、このような操作がされていることは知らされないまま、傾向をのぞいたのです。