1カ月の「冷水シャワー」で体に変化を起こる…弁護士とその母親の不調が即解消
氷点下の湖で15分間泳ぎ続けるオランダ人ヴィム・ホフ。普通なら凍死してしまう環境で、彼は体温を37度に保ち続ける。彼の驚異的な能力を支えるのは「コールド・トレーニング」——意図的に身体を低温にさらす鍛錬法だ。
彼の鍛錬法は一般人にも効果があるのだろうか——。2015年、3000人が参加した「クールチャレンジ」で実証されたこと、そして、今すぐ自宅でできる2つの方法とは?
氷点下で驚異的な身体能力を発揮するヴィム・ホフの秘密を解明した『氷超人』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
◼️大規模な実験により「コールド・トレーニング」の効果が証明された
2015年1月1日、3000人以上の老若男女が「クールチャレンジ」の一環として冷水シャワーを浴び始めた。このチャレンジの推進者のひとりは、アムステルダム医療センターのヘルト・バイジ博士だ。ヴィム・ホフは、かなりの低温と「呼吸エクササイズ」を組み合わせて驚異的な効果を得たが、バイジは、もっとハードルの低い冷水シャワーだけでも効果があるかを知ろうと考えた。
このチャレンジでは多くの人々がすぐに低温に慣れ、3回程度で効果を感じ始めたことは特筆すべきだろう。そして冷水シャワーのあと、肌がすぐに赤くなったと話した。これは血行がよくなった証あかしだ。そのほかの体験談や実験結果は、インターネット上に大量に挙がっている。機会があれば、ご覧いただきたい。ここでは実践者のひとり、ジャック・エグバートの話を紹介しよう。
1971年生まれのジャック・エグバートは、オランダ北部にあるフリースラント州レーワルデンの弁護士だ。彼は、このところ疲れぎみでだるさを感じていた。普段は活動的でエネルギーにあふれていたが、あるとき関節の痛みなどをともなう感染症・ライム病と診断された。病名を通告した医師は、ほぼ何も治療手段を持たなかった。エグバートは何もできることがないという言葉が信じられず、代替療法を探した。
いろいろ調べるなか「エネルギー増進」で検索し、ついに見つけたのがヴィム・ホフだった。エグバートはすぐに興味を持ち、もっと知りたいと思った。
彼の法律事務所は大所帯で、しかも成功している。何事も中途半端にはできない性質なのだ。だからヴィム・ホフ・メソッドを見つけたときも1日で終わる体験コースではなく、いきなり1週間のコースを申し込んだ。
「コールド・トレーニング」のもたらす好影響は大きかった。1週間の、彼いわく「ヴィム式実践」のあと、エグバートはライム病による筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、全身のだるさなどをほとんど感じなくなった。そのうえ病気の前よりもエネルギーにあふれていた。活力も食習慣も、すべてが変わった。
最初のうちは、あまりにすばらしすぎて信じがたかったため、エグバートは遠慮がちだった。博識の法律家なのだから、理性が勝つわけだ。だが、すぐに喜びを自分のなかだけに留めておくことはできなくなり、もう何年も高血圧の薬を飲んでいた母親に冷水シャワーを勧めた。
こう語りながらエグバートはニヤッとした。1か月後には彼の母親も症状が出なくなり、薬を止められたからだ。