三谷幸喜作・演出の新作「歌舞伎絶対続魂」 狙い通りに客席は笑いっぱなしだが…

公開日: 更新日:

 三谷自身が現代を舞台にして書いたバックステージものを、江戸時代に移し替えた、自作の改作。伊勢の芝居小屋が舞台で、「義経千本桜」を上演しているのだが、幕が開く直前からアクシデントやトラブルが続出。それでも幕は開くが、その後も、アクシデントが続く。

「観客を笑わせる」と三谷や主役の松本幸四郎が宣言していたが、その狙い通り、客席は笑いっぱなしである。しかし、その「笑い」の大半は、幸四郎が変な声を出したり、中村獅童が変な顔をするからで、それも「芸」のうちといえばそうなのだろうが、低級な笑いが多い。

 頻出するアクシデントやトラブルも現実離れしており、「笑い」のための作為が見え見えで興ざめするし、身体的欠陥をネタにするものなど趣味がいいとは言えない。

 群集劇なので登場人物は多いが、そのなかでドタバタに陥らず、喜劇としてしっかり演じているのは、中村鴈治郎と片岡愛之助、市川染五郎で、彼らのおかげで、見られるものとなっている。さらに、中村鶴松がいちばんまともな人物をまともに演じており、結果として、この芝居全体を支えている。

(作家・中川右介)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋谷教育学園渋谷から慶大に進んだ岩田絵里奈を育てたエリート医師と「いとしのエリー」

  2. 2

    「タニマチの連れの女性に手を出し…」問題視されていた暴行“被害者”伯乃富士の酒癖・女癖・非常識

  3. 3

    同じ幼稚園に通った渡辺翔太と宮舘涼太はクラーク記念国際高校で再び合流、そろって明海大へ進学

  4. 4

    侍J山本由伸にドジャースとの“密約説”浮上 WBC出場巡り「登板は2度」「球数制限」

  5. 5

    元横綱照ノ富士「暴行事件」の一因に“大嫌いな白鵬” 2人の壮絶因縁に注目集まる

  1. 6

    4月からフリー転身の岩田絵里奈アナに立ちはだかる 「日テレ出身」の不吉なジンクス

  2. 7

    これが高市“ウソつき”首相の正体 世間はウソを望む。だから権力者はウソを利用する

  3. 8

    和久田麻由子アナは夜のニュースか? “ポスト宮根誠司”めぐり日本テレビと読売テレビが綱引き

  4. 9

    旧宮家の"養子案"に向かう高市内閣と世論が求める「愛子天皇待望論」

  5. 10

    <第3回>力士とのセックスはクセになる!経験者が赤面吐露した驚愕の実態とは…