【モネと時間旅行】19世紀ベル・エポックの女性と現代の子孫が出会ったら…?
観る側の消化不良を主人公たちが解明してくれる
現代にも過去にもこれといって大きなアクシデントがあるわけではない。それでも話に引き込まれるのは、ひとつに誰もが自分の先祖を知りたいという探求心を持っているからだろう。
祖父母の家を訪ね、大昔のセピア色の写真の人物が誰なのかと思案することがある。古い親戚に聞いても「知らない」と首を振るばかり。ますます自分のルーツを知りたくなるが、実態がつかめない。そんなもどかしさを経験した人は少なくないはずだ。
セブたち4人は古い写真と手紙を手がかりに何代も前の薄幸な女性のドラマを模索する。遺された文面は文字の羅列でしかないが、映画はそれを色鮮やかな物語として突きつける。観客の胸に残った消化不良の思いを主人公たちが解明してくれるように感じてしまう。それが本作の魅力だ。
しかも登場するのが歴史的な人物たち。クロード・モネを筆頭にルノワール、ドガ、セザンヌ、ピサロなど実在の画家が登場。モネの存在感と庭園の描写は実に感動的である。
アデルの生き生きとしたパリ生活に感化されたかのごとく、セブたち現代人が活力を取り戻す姿を見て、英国の歴史学者E・H・カーの言葉を思い出した。
「歴史とは現在と過去との終わりのない対話である」
21世紀の親戚たちはユーモラスな雰囲気の中で時間旅行を楽しんだ。彼らのような心躍る珍事を体験してみたいものだ。 (配給=セテラ・インターナショナル)
(文=森田健司)



















