(8)手術=ETSで「正常な発汗」に近づける
ETS(手術)とは、全身麻酔下で行う胸腔鏡下胸部交感神経切除術のことです。背骨の横を縦方向に走る交感神経の太い「本幹」を切断や焼却で遮断し、汗を止める方法です。
とくに手掌多汗症に有効とされ、術後すぐに手がサラサラになります。その一方で、お腹、背中、太ももなど別の部位から汗が増える「代償性発汗」も強く出やすくなります。
そこで新たに行われるようになった治療法が「選択的ETS」です。代償性発汗を可能な限り回避することを目的に、交感神経の本幹ではなく、枝分かれしている細い「交通枝」を選択的に離断する方法になります。
一般的なETSよりも発汗抑制効果はやや穏やかになりますが、代償性発汗の程度が軽くなる傾向があります。
汗を完全にゼロにするより「日常生活に困らない程度の正常な発汗に近づける」「汗を意識せず普通に生活できる状態」と考えるとよいでしょう。
手術は特殊な気管チューブを使用して片肺を虚脱させたあと、脇の下と胸部を切開。3ミリの胸腔鏡(鉗子とカメラ)を2カ所から挿入。同時にレントゲン透視下で位置を解剖学的に確認しながら胸部の交感神経にアプローチします。


















