線路に飛び降り逃げた痴漢 列車遅延の損害賠償どうなる?

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 2007年、当時91歳の認知症の男性が、妻が目を離した隙に徘徊し、電車にはねられて死亡する事故があった。

「JR東海は、遺族に遅延損害金など720万円の賠償を請求。一審では全額賠償、二審では妻の監督義務だけを認めて360万円の賠償を命じられましたが、最高裁は16年3月、遺族に賠償責任はないとして請求を棄却した。ただこれは、当事者の男性が認知症で、責任能力がなかったこともあります。当事者が痴漢容疑で逃走しただけで、責任能力アリとなれば、全額賠償を命じられる可能性もある」(司法ジャーナリスト)

 JR東日本によると、列車の運休や、30分以上の遅延を生じる「輸送障害」は、15年度に管内で1409件起きている。そのうち、飛び込み自殺や線路内の立ち入りなど「部外原因」によるものが746件だ。

「部外原因の輸送障害は例年600~750件ほど起きています。線路内の立ち入りによる損害賠償請求は、基本的な考え方として、まずは事実関係を確認し、原因を明らかにする。遅延を生じさせた人の責任を特定したうえで判断することになります。責任を特定するのが難しいのは確かですが、ただ、原則的には請求することを前提としている。あくまでケース・バイ・ケースで、具体的な内容は申し上げられませんが、実際に訴訟は起こしています」(JR東日本広報担当者)

 痴漢本人は自業自得だろうが、その代償が数百万円なんてことになったら、家族は悲惨だ。

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