クレストホールディングス永井俊輔社長が描く看板屋の未来
クレストホールディングスは、元は群馬の広告看板屋さん。店のディスプレーを「男女どちらの」「何歳の人が」「何秒立ち止まって」「何を見ていたか」などを数値化するカメラ「ESASY(エサシー)」を導入。これまでの経験則や既成概念で成り立っていた看板ではなく、集客を可視化して実店舗に喜ばれている。社長の永井俊輔さん(33)は2代目で、早稲田大学時代は全日本学生サーフィン選手権(ロングボード)で4連覇を達成。自分のことを誇りを持って「看板屋」と呼ぶ。
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あれほど夢中になっていたサーフィンをやめてしまった。
「週末にサーフィンをしている社長と、週末に本気になって本を読んで勉強している社長とでは、社員はどちらを信頼するでしょうか」
こう穏やかに話す永井さん。社員の6割は女性で、管理職比率も3割に達する。フレックスタイム、育児短時間勤務もいち早く導入した。しかし、看板業界の未来は暗い。
「看板の歴史は、平安時代の西暦830年からあったそうです。つまり、約1200年もの歴史を持つレガシー産業です。江戸時代は浮世絵というアートにまでなった。……と言うと聞こえはいいかもしれませんが、江戸時代から看板は何も変わらず、市場の成長性も期待できません。要するに斜陽産業なのです。