“備蓄米ラッシュ”に現場から悲鳴…政府「スピード重視」アピールの裏で精米工場のキャパが逼迫

公開日: 更新日:

 “備蓄米ラッシュ”のシワ寄せは、現場に及んでいるようだ。

 随意契約で放出する備蓄米が今月29日に大手小売業者に引き渡され、早ければ今週末にも店頭に並ぶ見通しだ。今回の放出では、集荷業者や卸売業者を介さないことで、中間マージンの圧縮や迅速な流通を目指す狙いがある。

 しかし、精米作業が大きな課題となっている。備蓄米の多くは長期保存が可能な玄米の状態で引き渡され、精米は購入を申請した業者に任されている。大手小売業者の多くは自前の精米設備を持っていないため、コメ卸などの精米工場に頼らざるを得ない状況なのだ。

 実際に、精米工場には多くの依頼が寄せられており、「争奪戦」の様相になっているという。

 現場からは、困惑の声が聞こえてくる。関東地方に大規模な工場を持つ精米業者の担当者はこう話す。

「銘柄米と前農相の時に放出された“江藤米”の精米作業で、すでに工場はフル稼働体制です。ただでさえキャパシティーがいっぱいいっぱいの中で、新たに放出された“進次郎米”の精米をどこまで請け負えるかは不透明です。それでも『早く早く』と速度重視の精米作業をせかされるものだから、現場はパニック状態。職員にはさまざまな負担がかかっている。また、トラックの運転手不足が慢性化しており、輸送能力という点でも限界がある。備蓄米を安定的に供給していけるかどうかは、かなり微妙です」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  4. 4

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  2. 7

    元女優・宮崎ますみさんは6年前から八ヶ岳山麓に移住しコメ作り 田植えも稲刈りも全部手作業

  3. 8

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  4. 9

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  5. 10

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由