「ありか」瀬尾まいこ著

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「ありか」瀬尾まいこ著

 身勝手な母親に「子どもができたら、親の恩が痛いほどわかる」と言われて育った美空。美空もそう信じていたのだが、親になったとたんわからなくなった。母親がああ言っていたのは、私が愛すべき存在ではなかったからではないか。

 美空は妊娠中に夫の奏多(かなた)の浮気が原因で、2年で離婚した。半年後、奏多の弟の颯斗がやってきて、自分まで縁を切られるのは不条理だと言い、毎週水曜日に、保育園に娘のひかりを迎えに行ってくれるようになった。ひかりは颯斗が来てから、彼のそばで機嫌良く遊んでいる。

 母子家庭と、それを支える同性愛者の義弟という、ちょっと変則的な家族の日々を描いた物語。 (水鈴社 1980円)

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