「カニ先生のタコペディアにっぽん」可児弘明著
「カニ先生のタコペディアにっぽん」可児弘明著
日本人はずぬけたタコ好きで、世界のタコ漁獲量の約62%を食べている。イタリアやスペインでもタコを食べるし、ミクロネシアやポリネシアでは干しタコを作る風習があるが、どんなものでも食べるといわれる中国においても少数の沿海の人間が食べるだけで、ほとんどの中国人はタコを食べない。
かつて香港ではタコつぼ漁が行われていたが、1885年にタコの干物で食中毒が起きたという記事が香港の英字新聞に掲載された。衛生局の検査では干物から毒素は検出されなかったものの、干しタコの荷出元が特定できなかったため、香港では日本産干しタコは毒があると噂され、食べられなくなったという。
ほかに、関東の魚屋で売っているのは茹でダコだが、関西では生ダコを売るなど、タコに関わるさまざまな知識を満載。 (岩波書店 2200円)